増加する介護職へのパワハラを防ぐためには…。
日本介護クラフトユニオンが2018年に介護職のハラスメント被害について調査をしました。その結果、介護職全体の約70%以上が、何かしらのハラスメント行為を受けたと回答しています。しかも、そのうちパワハラ被害に遭ったのは約90%以上にものぼっていました。
ちなみに、介護職が利用者やその家族から受けるハラスメントの場合は、訪問介護でマンツーマンのケアをしているときに起こりやすい傾向にあるようです。利用者やその家族からのパワハラは、デブ、バカなどの暴言や暴力、攻撃的な態度などが報告されています。また、訪問介護では、提供できるサービスの種類が限定されていますが、サービス以外の庭の草むしりや大掃除、犬の散歩などを強要され、断ると威圧されるというケースもあり、このようなことからストレスを感じ、離職をする介護職は少なくないようです。
しかも、パワハラ被害を受けた介護職は、事業所に相談していない人がかなり多いといいます。なぜなら、「介護職は我慢すべきだ」「その程度のパワハラは受け流すのがプロだ」といった思い込みや風潮が浸透しているためです。また、相談しても変わらないという回答も4割にのぼりました。このことを考慮すると、訪問介護の事業主は介護職の状況をよく調査し、現場の苦労を理解する必要があります。
また、被害を受けたら、同僚や上司に相談することも、介護職には求められます。そして、相談を受けた事業所は効果的な対策を検討し、ハラスメントが怒らないように何らかの方法を取る必要があります。パワハラを解決するために、事業主を対象としたセミナーや講習会が各地で開かれているので、各事業所の管理職は積極的にそのような場に足を運んで、職員を守る方法を学ぶべきです。